インフルエンザワクチンの接種が平成23年度より変更になりました。WHOの勧告を参考にして、接種量が増えて乳幼児にもきちんとした量で接種できるようになりました。1歳未満でも接種量は1歳以上の人と同じになります。全くインフルエンザにかかったことのない乳児には免疫反応の面からワクチンは効きにくいのではないかという、意見もありますが、今年接種しておくことにより来年度からのワクチンがより効果が期待できるというメリットもあります。積極的な接種をおすすめします。

 

 

インフルエンザワクチン

接種回数はおとな1回、こどもは2回必要です。生後6ヵ月から3歳未満は0.25mlを2回、3歳以上13歳未満は0.5mlを2回、接種間隔は、2~4週間間隔。効果は不活化ワクチンのため接種間隔をあけたほうがよいとされています。13歳以上では0.5mlを1回あるいは2回、接種間隔は、1~4週間間隔。詳しいことは診察時に院長にお尋ねください。また受験生には確実を期すため2回接種をすすめています。

当院では予防接種とチメロサール(有機水銀化合物)との関係に早くから取り組み対策を講じてきた結果、全くチメロサールを含まないインフルエンザワクチンによる予防接種を徹底しています。生産本数が充分ではなく、小児科専門用としてメーカーから指定されている貴重なものです。先着2000名分の確保ができています。早めの予約、接種をお願いします。

効果が現れるまで約2週間程度かかり、約5ヶ月その効果は続きます。したがってインフルエンザの流行期を考慮すると12月中旬までに接種をすまされることをおすすめします。

授乳中の母親、妊婦は妊娠16週以後は積極的に接種すべき、とされています。とくにこの場合もあかちゃん、胎児のことを考えてチメロサールを含まないものを使用すべきでしょう。

1歳未満へのインフルエンザワクチンについて

従来よりインフルエンザワクチンは日本では乳幼児には有効性が認められないという意見が多く、その理由として乳幼児独特の免疫反応の問題、全くの初回免疫であること、接種量が極端に少ない(欧米では0.25ml、日本では0.1ml)ことなどが考えられていました。

平成23年度の研究で6ヵ月から2歳未満の乳幼児に0.25mlを2回接種(1歳未満では0.1mlというのが従来の方法)をおこなうと血中抗体が十分にあがるという結果がえられています。季節性インフルエンザワクチンの接種量は30年以上前に、きちんとした科学的根拠なしに決まった。早急に接種量を増やすべきだ、と結ばれています

上記の治験データとWHOの勧告により1歳未満でもなるべく接種量を多くすることになり3歳前後で0.25と0.5mlの差のみになった経過で現在にいたっています。