お子さんにも新型コロナウイルスワクチンを受けさせてあげましょう

~ お子さんの重症例や死亡例が増えています ~     2022 年 10 月 14 日 東京小児科医会

これは最前線で新型コロナウイルス感染症に向き合って診断・治療してきた私たち小児科医の思いを伝えるメッセージです。お子さんの新型コロナウイルス感染症の多くは軽症ですが、今年になって流行したオ ミクロン株の流行後は小児の感染例が増加し、重症例、死亡例も報告されるようになり ました。10 歳未満の死亡例について検討しますと、昨年までは死亡例は 0 でしたが、今年の 3 月に 3 例の報告があり、その後 19 例が報告され、オミクロン株の BA5 に置き換わったと考えられる 7 月からの約 2 か月で 12 例が亡くなっています 。

保護者の中には、ご自身の接種の際の高熱や疼痛体験などのために、お子さんへ の接種をためらう方がいらっしゃるようですが、子どもたちへの新型コロナワクチン (m RNA ワクチン)接種の副反応は軽微で、それも極めて稀であることが明らかになってき ました。 mRNA ワクチンは新型コロナウイルスの持つ遺伝情報 (設計図)のごく一部を用いた ものが使われており、ヒトの DNA には取り込まれません。またmRNA は接種後数分か ら数日といった時間の経過とともに分解されるので、その情報が長期に残ったり、精子 や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています。子どもがワクチンを受けて起こる反応は、感染すれば起こりうる症状の軽微なもので、 安全性に重大な懸念はないとされています。 他方、新型コロナウイルスに感染した場合にはワクチンを受けたときよりもより強い症 状が起こりうるので、ワクチン接種に伴う副反応よりも感染した場合の症状と身体への 長期的な影響や生命への危険の方がより懸念されます。

 2022 年 8 月までの報告では、12 歳未満のお子さんについて現在流行中のオミクロ ン株の発症予防効果は決して強くはありませんが、それでも “重症化予防効果”は 40 ~80% 程度期待できるとされています。 米国、欧州のいくつかの国では、今まで多くの感染者と犠牲者を出しながら集団免 疫を獲得してきましたが、日本はワクチン接種率も十分とは言えず、今後の感染拡大を抑制できるほど集団免疫が高まってはいません。 一方、この 2 シーズン経験しなかったインフルエンザは南半球の国々ではすでに流行しており、この冬は日本でも流行が予測されています。 さらに RS ウイルスやヒトメタニューモウイルスなど乳幼児が感染しやすい呼吸器感染症も流行中です。これらの感染症が同時流行すれば、保護者はもちろん医療の逼迫 は必至で、助けられる命も助けられなくなる事態が起きることは容易に想像できます。2022 年 10 月7日には罹患すると生命への危険リスクが更に高くなると指摘される生 後 6 か月~4 歳児への接種も5歳以上のお子さんと同様の扱いで承認されました。(厚生労働省 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会) お子さんの周囲の方の新型コロナワクチン接種 (3回目・4 回目)はもちろんですが、 有効な治療法のないお子さんたちの命を守り、健康的な元の生活に戻すためにも子どもたちにも新型コロナワクチンをぜひ受けさせてあげてください。

ご予約はこちらから
電話によるご予約は、診療時間内にお願いいたします。
再診のかたは前日22時までは予約メールからご予約いただけます。
*予約の詳細ついては、こちらのページをご覧ください。
042-438-2552
メールでのお問合せはこちら

ページの先頭へ戻る