食物アレルギーの食物制限の指示ついて
2つのパターンがあります。
予防的に制限する場合
特にアトピーなどがひどい場合や2歳未満で特定の食品にたいしてIgERAST試験で陽性に出た場合、今後の臨床症状の悪化やアレルギーマーチの進展を予防する目的で食品の量、加熱程度の差を考慮しながら制限食を指示します。小学校入学前までの乳幼児にはこのケースが多くなります。
アレルギー症状が食事により出現し危険なため制限する場合
小学校以上での対応がこれになります。
臨床症状がありRAST3+以上の場合
負荷テストはせず食事制限
RAST2+以下になったら負荷テストを行い、制限の解除を考慮する。
臨床症状がありRAST1+以上の場合
負荷テストはせず食事制限
RAST(-)になったら、あるいは1年間まったくアレルギー症状がみとめられない場合、負荷テストを行い、制限の解除を考慮する。
臨床症状がありRAST(-)の場合
アナフィラキシー、喘息発作など重篤な症状が特定の食事でみられる場合は負荷テストはせず食事制限をする。この場合は1年間まったくアレルギー症状がみとめられない場合、負荷テストを行い、制限の解除を考慮する。
軽いじんましん、湿疹の悪化など症状が軽い場合は負荷テストをおこない、原因を確定する。
臨床症状がなくRAST2+以上の場合
負荷テストにより食事制限を決定
特に多項目に陽性所見がある場合は特に危険性のある食品から検査をおこなう。
臨床症状がなくRAST1+の場合は原則として学校での食事制限はせず、家庭内で軽度の制限を指示する。
いずれにしても最低3ヶ月に一度以上の通院が必要で、アレルギーの検査は6ヶ月ごとに行います。
このような方針で食物アレルギーの食事指示を行いますので、日数がかかります。園、学校への入学直前のかけこみ来院での指示はできませんのでご注意ください。給食への対応で、間に合わないこともあり、指示がでるまで給食不可ということになりかねません、くれぐれも対応は早めにお願いします。