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喘息・アレルギー
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アトピー性皮膚炎の処置は乳児期早期からの治療が大切です

赤ちゃんのほっぺはつるつるして弾力がありマシュマロのようで若干油っぽいのがふつうです。そうです赤ちゃんの肌には細胞内にたっぷりと油が保持されていてそれが正常では皮膚のバリヤー機能をはたしているのです。それがなんらかの原因で皮膚炎をおこすとザザラした感触になり、乾燥肌と表現され保湿剤やワセリンなどで処置されることになり次第にトラブルが多くなる悪循環の一歩がはじまります。 もしこの様な状態になりはじめたら、早期からかゆみのない湿疹のない状態を維持させることが一番大切です。保湿剤やワセリンを使用しても変化がない、悪化するばあいには放置せずに適切な処置に直ちに変更してください。そうすることにより子どもの精神的安定、親の精神的安定、将来の食事アレルギー獲得の危険性の防止という3つのメリットがえられます。

湿疹が不十分な治療で残っていると、眠くなったり、授乳中に顔が痒くなってしまったりしてぐずって、充分な睡眠がとれなかったりします。また手の届くところでは掻くことにより湿疹が悪化しさらに痒みがますという悪循環におちいります。
親は病院をわたりあるいて非ステロイド療法を求めたり、根拠のない民間療法にとびつき湿疹の悪化に悩み、精神的不安定におちいります。 最近では食事アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係では食事アレルギーからアトピー性皮膚炎が生じるのではなく、逆にアトピー性皮膚炎を放置することにより食物アレルギーを起こす(経皮膚感作)とされ、乳幼児期早期での皮膚治療が大切であるとされています。
2014-6-4日本経済新聞の記事 アレルギー、皮膚からも 兵庫医科大学 特定タンパク質関与 という記事のなかでこう述べられています。「皮膚が弱い乳幼児は、母親の手やエプロンに残った食べ物に触れるだけで、アレルギー症状を引き起こしやすくなる可能性がある」
経験的にも遅くとも6ヶ月までに皮膚症状をほぼ完璧におさえてあげるとその後の経過はとても良好です。保湿剤はかゆみ、あかみ、ざらざらした炎症のある肌には適していません。とくにプロベトは単に油っぽくなるだけであって、炎症のある肌には不適当です。ぬっていて皮膚症状が改善しないものを漫然と使用するのは止めましょう。ワセリンは軟膏の基剤として用いるものであり、それ自体に治癒効果はありません。ワセリンの実態は以下の様ものです。
ワセリンは石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの。大部分は、分岐鎖を有するパラフィン(イソパラフィン)および脂環式炭化水素(ジクロパラフィン、ナフテン)を含む。ワセリンという場合、一般的には白色ワセリンを指す事が多い。
あたりまえのことを書いていますが、ステロイド忌避という刷り込みがアトピー性皮膚炎の処置で蔓延しているのが実情です。またこれに便乗したアトピービジネスがいまだにはびこっています。スキンケアと称して石鹸で皮膚の油をとって保湿剤で油をぬるのはどう考えても矛盾しています。皮膚に炎症がおきたときにはしっかりと適切な部位、症状に応じたステロイドをプロアクティブ療法により使用するのがベストです。しっかりと直してあげましょう。

よく聞くこととして、ステロイドを使うとすぐよくなるけれど、やめるとすぐ悪化するとか、ぬってもよくならない、とかの意見があります。この場合の原因は大部分で軟膏使用が不十分なアンダートリートメントによります。軟膏の種類、使用量、期間が適切なら100%満足の結果をえられます。まず種類 顔は弱いもの、体は通常、四肢末端は強いものという原則、軟膏の混合は変質効果があるのでなるべく避けること、使用量 フィンガーティップユニット(FTU)の原則 人差し指の先の1関節の軟膏の量で両手の面積程度、次に期間はプロアクティブ療法 良くなったらすぐ止めないで最低1週間は塗り続けること。意外とこの原則が守られていないで悪化することが多いのでご注意ください。
最後に皮膚が痒くてつらいのは、子どもです。子どもの立場にたって加療(単に保湿剤などを塗って様子をみるようなこと)するのではなく治療(直ること)してあげてください。

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