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喘息・アレルギー
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ヒルドイドに関する注意

いわゆる乾燥肌にヒルドイドを塗って悪化している例によく遭遇します。ヒルドイド自体にはアトピー性皮膚炎を治す効力はないこと、ヒルドイド自体でアレルギーを起こす場合があることを念頭においてください。薬剤の説明書にもアトピー性皮膚炎にともなう乾皮症は適応外になっています。また保湿効果も薬剤として認められていません。欧米の文献でも保湿効果については全く認められていない、というのが実情です。アトピー性皮膚炎、非ステロイド治療、乾燥肌にはヒルロイドという図式が出来上がっていて、効果のない例にも使われ続け、その結果皮膚の損傷をきたし、経皮膚感作による食物アレルギーを作り上げてしまうのではないかという考えが最近提起されています。食物アレルギーを食べて直す治療が主流になりつつあることとともに、最近の小児のアレルギーのトピックです。

基本的なことですが、ヒルドイドには3つの種類がありそれぞれ含まれる成分が異なります。ヒルドイドソフト軟膏、ヒルドイドクリーム、ヒルドイドローションの3種類です。とくにクリーム、ローションにはラノリンというアレルギーを起こしやすい物質が含まれているので注意が必要です。

いわゆる乾燥肌といわれているものの大部分は触るとガサガサする状態をさしていて、皮膚が炎症を起こして凸凹しているからなのです。この炎症は寒冷刺激とか、掻くことによる刺激とか、アレルギーなどでおきるものです。もともと乳幼児の肌はしっとりと潤っていて柔らかいものです。無理やり石鹸でもともと存在する皮膚成分ととり、そこに石油成分からつくられた人工物をぬることはよくありません。顔、体は石鹸を使わずに手のひらでお湯だけで洗い、なにもぬらないでください。但し炎症所見より皮膚がガサガサしている状態(あえて乾燥肌とはいいません)では適切な炎症をとる軟膏(ステロイド剤)を使用してプロアクティブ療法により完璧に皮膚の炎症をとってあげてください。
ヒルドイドの適応は痒みも炎症所見のない通常の肌の状態で使用してください。ただし悪化が少しでもみとめられたら、すぐにやめてください。副作用として、カユミ、発赤、発疹が薬剤説明書にも記載されています。当クリニックでもヒルロイドアレルギーと思われる例を今までに8例経験しています。ひどい例では夜ぬって翌日塗った部位全体がひどい湿疹になっています。当クリニックの経験ではありませんが、ヒルロイドクリームをぬって5分後からじんましんが出現し、呼吸困難になった例もあります。この薬剤は世間では医師も含め安全な薬と思われていますが、もっと注意喚起してもいいのではないか、と思っています。またヒルロイドと同じものとしてビーソフテン、ヘパリン類似物質があります。

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