夜尿症の治療
新しい治療薬が2012年5月より使用されています。これは従来点鼻で使用していたものと同じ成分を飲み薬にしたもので、欧米での夜尿症の第一選択薬です。簡単に治療できるようになったのですが、日常生活での注意が必要で、薬を飲めばすぐなおる人ばかりではないのできちんとした管理が大切です。夜尿症の検査、治療について簡単にまとめてみます。
検査
夜尿症の型(多尿型、膀胱型)尿の浸透圧、比重により治療方針をたてるために検査を行います。夜尿症ノートをつけてもらいながら、がまん尿で膀胱容量の測定、朝の尿量測定をお家で、早朝尿を5日間持参してもらい、尿の浸透圧、比重を測定します。これで夜尿症の型の分類をおこないます。その後検尿、採血を行い腎機能、ホルモンの検査を行います。
治療
上記の検査の結果をもとに、治療法の選択をおこないます。尿の浸透圧が低い場合は抗利尿ホルモンのデスモプレッシン(点鼻、経口薬)を直ちに使い、昼間頻尿などがある膀胱容量の少ない場合には頻尿治療薬を使用します。治療経過は夜尿症の型、夜尿頻度、夜尿時間などにより、直ちに反応し治る人、反応せず薬を併用する人様々ですが、どうしても治らない場合は、ベル療法を行います。ベル療法はまわりが大変ですが効果ははっきりしています。
最後に
夜尿症の治療は小学校の3年生頃から開始し、遅くとも中学校までにはなおしたいものです。夜尿症はほとんどが自然治癒するとされていますが稀に大人までもちこしている人もいます。高校以上になると恥ずかしくて病院受診もできず独り悩んでいる人もいる、ということも念頭にいれておきましょう。