こどもは一般には体温が高く、午前中は37.5、夕方38℃位には正常でもあがることがあります。したがって、発熱とは38,5℃以上が持続することをいいます。感染症が発熱をきたす代表例ですが、その他にも喘息発作のゼイゼイの時や、脱水の時にも微熱が持続します。また思春期の始まりのころにはホルモンの関係で微熱が続くこともあります。
小児科医が最も神経質になるのは1歳6か月未満の発熱です。この年齢で絶対見逃したくない病気に髄膜炎があるからです。診断の遅れで後遺症が残るからです。この年齢での高熱の持続の大部分は突発性発疹なのですが、発疹は高熱が3日ぐらい続いて、解熱後に出てくるので確定診断できるのは3日後となり、万が一髄膜炎の高熱だった場合手遅れになるので診断が確定するまでは心配です。
したがってこの年齢の発熱には、検尿、のどの検査(インフルエンザ、アデノウイルス)の迅速検査、下痢の場合便の検査(ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス)を行い、早期に診断を確定し、これでも不明の場合には採血を行い、CRP(炎症の程度をみる検査、5mg以上で重症)白血球の検査により、髄膜炎の可能性の100%除外をめざします。
当クリニックでのこの様な方針についてはかかりつけの方は理解してもらっているのですが、初診のかたには検査が多いのではと思われるかもしれません。ご存じだと思いますが、3歳未満の小児についての検査料は保険では請求できず、クリニック持ち出しで行っているという現状ですので、なにとぞその点についてご理解ください。