口内炎 について
口内炎の原因としては、感染症、物理的刺激、外傷によるものが大部分で、まれに膠原病などの全身性疾患に伴うものがあります。 一番よくみられるアフタ性口内炎について説明します。
再発性のアフタ性口内炎 体調が悪くなったり、ちょっとした刺激で同じ部位に出現を繰り返します。原因は不明ですが,局所の細胞性免疫が関与しているとか、ウイルスがその部位に巣食っているのではないかといわれています。1~2週間で治癒することが多く,小児,若年者に多く年齢とともに減少します。口内炎ができて痛いときには、軟膏や添付薬を食前に使用し痛みを一時的にとると楽になります。また、痛みがなくなったら、液体歯磨き(ガムデンタルリースのノンアルコールタイプ)などで口をすすいでおくとよくなる、といわれています。
ヘルペス口内炎
単純ヘルペスⅠ型は小児における初感染で口内炎や口唇の発疹を引き起こします。さらに神経節に潜伏して免疫応答による排除から免れているため,再発がよくみられるのも特徴です。誘因としては,日焼け,外傷,精神的ストレスなどあるとされています。治療としては抗ヘルペス薬の飲み薬や軟膏があります。
手足口病やヘルパンギーナによる口内炎
暑くなるとはやります。原因は、両方とも大部分がコクサッキーウイルスAによるものです。手足口病とはその名のように、手のひら、足のうら、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。以前にかかったことのある子でもまたうつる場合があります。熱はないか、あっても微熱程度ですみます。手足の水ぶくれは痛がりませんが、口の中が痛くて食べられなくなることがあります。ヘルパンギーナは日本語に直すと水疱(ヘルペス)で痛い(アンギーナ)という意味の病気で、38〜40℃の高熱が2〜3日続きます。のどの奥に小さな水ぶくれができて痛いので、食べられなくなります。 基本的には対症療法で安静、水分の補給です。口内炎がひどく経口摂取ができないときは口内炎の薬を使用することもあります。
このように比較的心配のない病気なのですが、中国ではやり多数の死亡者をだしている重症なタイプもあるので注意が必要です。これはEV71(エンテロウイルス71)による手足口病で脳に障害を起こしやすいとされていますので、熱が続いたり、おう吐の激しいときには、入院、精査が必要になることもあります。油断せずに安静、経過観察を充分におこなってください。
その他全身性疾患による口内炎
非常にまれですが難病疾患の一症状として、しつこい口内炎がみられます。Behcet病や炎症性腸疾患であるCrohn病、全身性エリテマトーデス(SLE)、尋常性天疱瘡、口腔カンジダ症があります。治りにくい場合や、歯肉出血を伴う場合には精密検査が必要になります。