軽症胃腸炎関連けいれんとは?

脱水症や電解質異常がなく軽症胃腸炎に伴っておこる無熱性のけいれんについて、1982年に日本ではじめて報告されました。そのご、多くの報告がなされ一つの病気として認められています。軽症胃腸炎関連けいれん(convulsion with mild gastroenteritis CwGと略)といいます。原因の多くがロタウイルス腸炎でノロウイルス、アデノウイルスでもおきます。ロタウイルスの流行によりこのけいれんの報告が多くなります。治療は熱性けいれんの治療に使うダイアップは無効で、テグレトールというてんかんに使用する飲み薬が有効です。

軽症胃揚炎に伴う痙攣の特徴

1.発達歴が正常で、てんかんや痙攣の家族歴がない6ヵ月~4歳の乳幼児に起こる。

・軽症な下痢を伴う胃腸炎にともなって引き起こされる。
・脱水は認められたとしても5%未満の軽症脱水である。
・発熱はなく、代謝異常症や電解質異常によって起きたものではない。

2.5分以内の短い痙攣である。

・部分発作として始まり、二次性に全般化する。多くは、この時期に全身性痙攣として観察される。
・発作時の脳波は、部分的な突発性異常波として始まり、全般化する。発作間欠期の脳波は正常である。
・多くの痙攣は群発し、群発期間は1-2日以内で間欠期に意識障害はない。

3.髄液検査や、血算、生化学所見に異常を認めない。

・多くの症例で便中からロタウイルス抗原を検出する。

4.カルパマゼピンの少量(5mg/kg) 1回投与が治療として有効である(>90%)。

5.1-4に合致しない例では脳炎、脳症やてんかんを鑑別する。




以上が医学的な特徴です。

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