下痢症状をおこす風邪について

季節によりその原因は大きく異なるが、主としてノロウイルス(昔は小型球形ウイルスと言われました)、ロタウイルス、アデノウイルスなどが知られている。

ノロウイルス

お年寄りがこのウイルスの集団感染で死亡したことで有名になりました。大人のウイルス性食中毒、とくに二枚貝(生牡蠣など)からの感染で、乳幼児にはあまり注目されていませんでした。しかし、細胞培養ができないこのウイルスが遺伝子増幅法により糞便から診断可能となりました。その結果、下痢症ウイルスとしては10%位ではありますが、乳幼児にも、特に11-12月の初冬に際だって存在することが明らかになりました。ロタウイルス感染が軽症化したためか臨床症状でウイルスの鑑別は難しいです。特別な治療法はなく、電解質補給液が用いられます。なぜ冬期に急に乳幼児に発症するのかについては、自然環境での存在様式、嘔吐下痢以外の合併症などまだわからないことが多いのです。このウイルスの迅速診断が平成19年10月より可能になっています。

ロタウイルス

別名、白色便性下痢症(白痢)と呼ばれています。臨床症状は嘔吐、下痢、発熱です。特に乳幼児では、他のウイルス性腸炎に比較し、下痢がひどくなり、脱水で重症化しやすいので注意が必要です。また無熱性痙攣をおこすことも知られています。このように、他の下痢症に比較し重症であり、早期に迅速検査で診断を確定し、早めの食事療法、脱水予防が大切です。本クリニックでは、独自に迅速法を考案し、約10分で結論をだし、早期診断により入院をさけるよう努力しています。

アデノウイルス

アデノウイルスには49の血清型があり、多彩な臨床症状を起こします。上気道炎、角結膜炎、胃腸炎の3つが主要症状で、3・4型と咽頭結膜熱、8型と流行性角結膜炎、40・41型と胃腸炎,11型と出血性膀胱炎の関係がよく知られています。このようにアデノウイルスには種々の型がありますが、40・41型アデノウイルスがいわゆる腸管アデノといわれています。ロタウイルスと同様の下痢をきたしますが、そのちがいは、簡単にまとめる下の表のようになります。このウイルスはロタウイルスと同様の迅速検査で診断可能です。
種類 好発季節 合併症 平均年齢
ノロウイルス 特に11月から12月 おう吐 全年齢
ロタウイルス 12月から4月 白色便、肝機能障害、痙攣 2歳
アデノウイルス 通年 急性虫垂炎、腸重積 5.2歳

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