ノロウイルスの迅速検査ができるようになりました
平成19年12月よりノロウイルスの迅速検査が可能になっています。また新型ノロウイルスにも対応したものも平成27年12月から使用しています。検体は便を使用します。まだ保険はとおっていません。かかりつけの方には無料で検査しています。 便の量は小豆大のものが必要です。また検査にかかる時間はおよそ30分です。従って遅い時間での受診の場合結果の報告が次ぎの日になることもあるのでご注意ください。現在までの経験では、下痢がはじまってからすぐより、数日たったほうが陽性になる率が高い様です。このようなことより検査でマイナスと判定されても、ノロウイルス感染症を完全には否定できないと思ってください。
ノロウイルス感染症の臨床症状 (国立感染症研究所ウイルス第二部 片山和彦)より引用
『ノロウイルスのボランティアへの投与試験の結果から、潜伏期は1~2日であると考えられている。乳児から成人まで幅広く感染するが、一般に症状は軽症であり、治療を必要とせずに軽快する。まれに重症化する例もあり、老人や免疫力の低下した乳児では死亡例も報告されている。嘔気、嘔吐、下痢が主症状であるが、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴う こともある。ウイルスは、症状が消失した後も3~7日間ほど患者の便中に排出されるため、2次 感染に注意が必要である。ボランティアのバイオプシー由来の腸管組織を病理組織学的に観察した結果から、ノロウイルスはヒトの空腸の上皮細胞に感染して繊毛の委縮と扁平化、さらに 剥離と脱落を引き起こして下痢を起こすらしいことが明らかになっている。しかしながら、このような現象がどのようなメカニズムによるものなのか、その詳細はまだ不明である』