中耳炎を予防接種で防ぎましょう

日本ではなぜこんなにアメリカその他の国に比較して滲出性中耳炎が多いのでしょうか。ある調査では保育園児の8割が滲出性中耳炎にかかっているとの報告もある程です。保育園児は小さいうちから病原菌にさらされ気管支炎、鼻炎などの繰り返しから細菌性中耳炎それが慢性化し滲出性中耳炎にいたっているとされています。アメリカで日本ほど多くない原因としては、保育環境、抗生剤を安易に使用しないことなどのほか、主要なものとして1歳未満より、予防接種を徹底することがあります。すなわちヒブワクチン(Hib菌(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)ワクチン)と子ども用肺炎球菌ワクチン(7価肺炎球菌結合型ワクチンPCV)の早期接種です。本来の目的は髄膜炎の予防なのですが、これが結果的に中耳炎の予防に画期的な効果をもたらせているのです。中耳炎をおこす菌はヒブ菌、肺炎球菌が80%以上でそれも大部分がペニシリンの効きにくい菌ということはよくしられている事実です。この80%を予防接種により防ぐことができるのです。また中耳炎の発症頻度が少なくなれば今までの様に抗生物質に頼った治療からも脱することができ、その結果菌もペニシリン耐性菌になる頻度が減ることになります。

さいとう小児科内科クリニックではヒブワクチンは以前よりおこなっていたのですが、今回7価肺炎球菌結合型ワクチンPC−7も輸入して接種しはじめました。中耳炎を繰り返したり滲出性中耳炎でお困りの方は是非ご相談のうえ、予防接種をしてあげてください。

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