ワクチンとチメロサールの問題 最新の情報

1999年アメリカ小児科学会、WHOはワクチンからのチメロサール(エチル水銀)の除去を指示し、現時点では欧米のワクチンにはチメロサールは全く含まれなくなっていきていました。 2012年国連環境計画(UNEP)が環境中から水銀除去に向けた動きを推進していることは各種報道でご存じのことと思います。ここのなかでワクチンに含まれるチメロサールの問題が再びとりあげられ、以下のような結論を提示しています。

チメロサールを保存剤として使用されるメリットとしては、保存条件の適応のひろさ、バイアルで数人分をまとめて提供して取分けて使用する場合の細菌等の汚染の防止などの経済的メリットや開発途上国での使用が可能などのメリットがあげられる。ほかにも生産過程、梱包などの廃棄物を含めた地球環境に優しい点などがあげられています。 問題点とされた自閉症との関連は完全に否定され、現時点までではアレルギーの報告もなく、予測できない副作用を考えて使用を控えるよりも、使用するメリットのほうが多いとし、アメリカ小児科学会、WHOはワクチンへのチメロサールの含有を容認することとなりました。

現在含まれて製品もかなり含有濃度が薄くなっています。しかし日本の状況をみてみると、ワクチンに対する不信感、清潔意識の高い国民性、保存におけるワクチンの劣化の問題などを考慮し、保存液はなるべく安全性の高いものを使用し、保冷庫で保存したワクチンの接種が望ましい、と考えています。発展途上国ではない地域、欧米ではすでにチメロサールフリーのワクチンの接種が当然のようにおこなわれています。従って当クリニックでは従来どおりチメロサールフリーのワクチンにこだわって接種していきたいと思います。

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