不活化ポリオワクチン導入から1年半が経過し、多くの乳幼児が追加免疫(4回目接種)の時期を迎えています。しかし、ある調査では、単独不活化ポリオワクチン接種対象児の約19%が初回免疫(3回)の接種が未完了であり、初回免疫を完了していてもそのうち 約48%が追加免疫(4回目)の接種が未完了であるとの結果が得られています。 また、単独不活化ポリオワクチン対象者には、2011~2012年に経口生ポリオワクチンの接種を見合わせた幼児も含まれるため、三種混合ワクチンの接種はすでに完了しており、不活化ポリオワクチンのみ接種が残っているというケースも想定されます。通常とは異なる接種スケジュールであること、そして初回免疫から追加免疫まで時期が空くことなどが影響していると考えられます。
一方、昨年はポリオ流行国からの野生型ポリオウイルスの伝播により、ソマリアなど非流行国でもポリオ症例が報告されました。今年も世界での野生型ポリオウイルスの症例数が4月2日現在で51症例と、去年を超える頻度(2013年は16症例)で報告されています。海外との往来が頻繁になっている昨今、野生型ポリオウイルスが日本に流入するリスクもゼロではありません。 そこで、日本の子供達をポリオから守るために、ポリオワクチンを適正回数接種して頂きたいと考えております。また、厚生労働省は原則として最初に使用した不活化ポリオワクチン(単独又は4種混合)を最後まで使用することを推奨しております。従いまして、単独不活化ポリオワクチンと3種混合ワクチンで接種を開始した場合は4回目完了まで単独不活化ポリオワクチンと3種混合ワクチンを、4種混合ワクチンで接種を開始した場合は4回目完了まで4種混合をご使用頂けます様お願い申し上げます。保護者の方は至急母子手帳の予防接種欄を確認し不活化ポリオワクチンが4回終了しているか確認してください。